眼精疲労・視力について
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近視・遠視・乱視について

 「眼球」はボールのように、丸い形をした器官です。目の表面には、「角膜」と言われる膜があり、外界から入る光を最初に大きく屈折させます。そして次に「水晶体」と呼ばれる調節機能のついたレンズにより、網膜上に焦点が合うように調整されます。この「水晶体」は「毛様体筋」 と呼ばれる筋肉によって周囲から支えています。この「毛様筋」が収縮・弛緩することで、「水晶体」の厚みが変え、屈折率を変化させることで、網膜上に焦点が合うようにしています。

  遠くの景色などの無限遠を見ているときは、正視の状態なら「水晶体」が何も調節しなくても、網膜上にピントが合い、綺麗に見えます。その状態の「水晶体」の屈折度は0D(ディオプトリー)と なります。「水晶体」の膨らむ量(D)は【100÷距離(cm)】で求められ、1mで1D、50㎝で2Dと近づくほどにどんどん膨らみます。幼少期などの若いときは、膨らむ量も多く、10D以上膨らみます。すなわち10cmより近くでもピントが合わせられます。しかし、年齢を重ねることで、少しずつ「水晶体」の膨らむ量は少なくなり、徐々に「老眼」へとなって行きます。

 【水晶体の調節度の計算式】

  100÷距離(cm)=調節度(D)

 今、パソコンやスマホを見ている距離で計算をして、「水晶体」の膨らみをチェックしてみましょう
 

「正常なものの見え方」

 水晶体がまったく調節していない状態(無調節)の状態で、無限遠方からの光(風景)が、網膜上に焦点が合う状態の眼を「正視」といいます。

  正視は遠くの風景を見た時に、何もしなくても綺麗に見える状態です。正視の状態の子供は無限遠から数センチまでピントを合わせることが出来ます。逆に正視でも高齢の方は、ピント合わせの幅が狭いため、遠くしか見えません。

「近視」

 水晶体がまったく調節していない状態(無調節)の状態で、無限遠方からの光(風景)が、網膜よりも手前に焦点が合いボケて見える状態を「近視」といいます。

  病気から来るものではない、いわゆる単純近視の原因は今でも所説あり、近くを見過ぎて毛様体筋が固まることで、膨らんだ「水晶体」を戻せなくなる「調節性近視」、また戻りにくくなっている「仮性近視」、さらに眼球の成長期(~6歳程度)に近くを見続けることで、通常よりも眼球が少し大きく育ってしまう「軸性近視」など、いくつかの原因が考えられます。

  いずれも近くを見続けることで進行しますので、なるべく近くを見る時間を減らすか、近くを見たあとは、遠くの景色などを見て眼を遠くに戻す必要があります。特に幼少期はとても近くまでピント合わせが出来るので、近づきすぎてしまいます。上の計算式を参考にして、少しでも距離を保つ方が、「水晶体」の膨らみも軽減されます。

「遠視」

 水晶体がまったく調節していない状態(無調節)の状態で、無限遠方からの光(風景)が、網膜よりも後方に焦点が合う状態を「遠視」といいます。

 遠視は一見とても眼がいい風に聞こえますが、正視の人が本来無調節で見える無限遠でも、「水晶体」を膨らませて、焦点を網膜上に合わせないといけないため、とても疲れやすい眼となります。軽い遠視くらいであれば、疲れやすいくらいで済みますが、強度の遠視ですと、調節の量が非常に多くなりますので、矯正が必須となります。
特に 幼少期の強度遠視は注意が必要で、斜視や弱視の原因となります。

「乱視」

 乱視は光を屈折させる「角膜」の曲面の歪みから、縦と横で屈折率が変わり、網膜の一点に集光しないことでおこります(正乱視)。また、「角膜」の表面の形状が凸凹な場合も乱視になります(不正乱視)。

 完全な球がないように、多くの人が多少なりとも「乱視」状態にあると言えますが、歪みが大きい場合は、縦・横どちらかがにじんで見えます。縦軸の焦点と横軸の焦点の違いで、近視性乱視や遠視性乱視、混合乱視などに分類されます。

「老眼」

 老眼は、調節の役割をする「水晶体」の調整機能が加齢によって低下することで起こります。すなわち最初に説明した調節力(D)が少なくなります。
  若い時は10D以上あった調節力も50歳になると2Dくらいになり、100÷2Dで50cmまでしか近くが見えなくなります。 老眼は眼の老化ですので、みんながなる状態ですが、近視の人と正視の人で、自覚症状が違います。俗に近視の人は老眼にならないといわれていますが、これは間違いで、近視の人は無調節状態で近くが見えるようになっていますので、老眼を自覚しにくいだけです。特に遠視の人が老眼になると、全くピントが合わないため、歳をとってから軽い遠視に気づくケースもあります。


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